矯正では1ヶ月で歯はどのくらい移動する?
矯正歯科治療は数年間に及ぶため、日々、歯が移動しているのを実感するのはなかなか
難しいものです。それでもやはり1ヶ月でどのくらい歯が動くのかは、目安として知っておきたいですよね。
▼部位によって動く量が異なる
私たちの歯は、お口の中に露出している「歯冠(しかん)」と歯茎の中に埋まっている「歯根(しこん)」によって構成されています。このうち歯冠の部分は比較的動きやすく、1ヶ月で1mm程度、移動することもあります。一方、歯根は歯の起点となる部分であり、顎の骨にしっかりと埋まっているため、1ヶ月で動く距離は最大0.5mm程度なっています。
▼なぜ0.5mmしか動かないのか
矯正による歯の移動が“1ヶ月でたったの0.5mm?”と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、歯が動くメカニズムを知ると納得できることかと思います。
◎骨のリモデリング
矯正によって歯が動くのは、進行方向の骨が溶けて、後方の骨が再生するという「骨のリモデリング」現象が起こるからです。非常に硬くて丈夫な骨を溶かして、さらには作り直すのですから、それ相応の時間が必要となります。過剰な矯正力を働かせて、歯の移動を早めると、歯が溶ける現象ばかりが進んで矯正が失敗に終わります。
▼まとめ
このように、一般的な矯正治療では1ヶ月に0.5mm程度、歯が動きます。そのため、歯列矯正全体としては2~3年の治療期間を要するのです。そうしたことを知ると、矯正歯科治療が極めて専門性の高い分野であることもおわかりいただけるかと思います。
2021年11月9日 (火)
カテゴリー : 小児矯正 , 成人矯正