矯正治療には歯根が溶けるリスクがある?
歯列矯正は、悪い歯並びを治すための治療ですが、いくつかのリスクを伴います。そのひとつが「歯根吸収(しこんきゅうしゅう)」です。
▼歯根吸収とは?
歯根吸収とは、文字通り歯の根である歯根が溶けていく現象で、根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)のような病気にかかると起こりやすいです。それがなぜ歯並びの治療で起こり得るのか不思議に思われる方も多いことでしょう。
▼過剰な矯正力で歯根周囲に炎症が生じる
例えば、歯周病にかかると歯茎や歯槽骨に炎症反応が生じて、歯肉退縮や歯槽骨の吸収が生じますよね。根尖性歯周炎も歯の根の先で炎症が起こる病気であり、同様のメカニズムで歯根が吸収します。そして、歯列矯正における矯正力が強すぎると、歯根付近に過剰な圧力が加わり、炎症反応を
起こして歯の根を溶かしてしまいます。これが矯正によって歯根吸収が起こるメカニズムです。
▼矯正力が適正であれば歯根は吸収しない
正確な診断・治療計画の立案を行うことで、精密な矯正処置が可能となり、過剰な矯正力をかけてしまうおそれもなくなります。正し知識を持った矯正医が適正な方法で処置を施せば、基本的に歯根吸収のリスクを回避することが可能となるのです。
▼まとめ
このように、矯正治療では歯根が吸収することもありますが、適正な方法で処置を施していれば、そのリスクを回避できます。ですから、矯正治療というのは、知識や経験の浅い歯科医師よりも、診療実績豊富な歯科医師に施術を任せた方が良いといえるのです。
2021年11月21日 (日)
カテゴリー : 小児矯正 , 成人矯正