当院の矯正治療の流れについてご説明します
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ご予約
当院の矯正治療はご予約制です。受診を検討される際は、お電話・メール等でお問い合わせください。また、初診当日に向け、ご案内と問診票をご郵送いたしますので、可能であればご記入のうえご持参いただけますとスムーズにご案内できます。
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カウンセリング・検査
初診当日は、カウンセリング、お時間に余裕があれば、矯正治療に必要な検査を受診していただけます。
カウンセリングでは、歯並びや咬み合わせの確認はもちろんのこと、患者様の健康状態、お悩みについてヒアリングさせていただきます。また、安心して治療をお受けいただけるよう、矯正治療や歯並びに関するご質問にしっかりお答えします。
矯正治療を行う前に、今の口腔内の状況を把握するために以下のような検査を行います。これらの検査にかかる所要時間はおよそ30~40分程度です。矯正治療前の検査
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問診
悪い歯並びを起こす原因は、非常に沢山ありますが、虫歯や悪習癖(舌のくせ、指しゃぶり等)、遺伝による原因も考えられますので矯正治療を始めるにあたりご本人及びお子様の場合はご家族の方に習慣や歯並びのお悩みをアンケート調査しながらご相談します。 -
模型の作成
今現在のお口の型取りを上下取ります。そこに石膏を流し込み模型を作成することにより問題点が把握できます。また模型なので、色々な加工ができるため実際歯が綺麗に並んだ状態のシュミレーションなどが可能です。 -
お顔とお口の中の写真撮影
現状の把握と矯正治療後の比較はもちろんでですが、笑った時の歯の見え方や歯並びの中心位置(正中線)の位置など、バランスのいい歯並びと噛み合わせをつくるための情報収集のために行います。 -
パノラマエックス線写真撮影
一つ一つの歯の状態を詳しくチェックしていきます。虫歯がないか、親知らずの生え方関節に異常がないかなど、2次元的に診断します。 -
頭部X線規格写真撮影(セファロ)
矯正歯科専用のレントゲン写真で、顔の骨格を分析するためのもので、矯正治療では必ず必要になります。例えば前歯が出ている場合、ただ単に歯がでているだけなのか、骨格ごと前にでているのか、それとも下のあごが劣成長で、上の前歯の突出が目立っているなど、色々な情報をこのレントゲンを用いて分析します。
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コンサルテーション
以上の検査結果を踏まえ、後日コンサルテーションを行います。コンサルテーションでは、検査の結果と、患者様ご自身の希望をすり合わせ、矯正治療の方針・計画や治療方法・料金などについて話し合います。矯正治療の方針は患者様によってそれぞれです。ご不安点やご不明点があれば、この機会にぜひお聞かせください。
コンサルテーション後は、話し合った内容を一度お持ち帰りいただき、矯正治療を受けるかどうか、検討していただきます。ご家族など周囲の方にも相談し、ご納得いただけた場合のみ治療に進みます。
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治療準備
矯正治療を受けることをご決断された方は、まず治療の準備として以下のことを行います。
矯正治療の準備
- 虫歯や歯周病の治療や抜歯
- 虫歯や歯周病の予防のための歯磨き指導・クリーニング
- 唾液検査(カリエスリスクテスト)
- 口の中の筋肉を正しく使うための筋機能療法
INVISALINE
インビザライン矯正を選択された方
マウスピースを使用した「インビザライン矯正」を選択した場合、ここで、マウスピースの作成がスタートします。
マウスピースは、3Dスキャナーにより取得した口腔内のデータをアメリカのアライン・テクノロジー社に送り、それを元にして全てオーダーメイドで製作されます。マウスピースの作成にはおよそ2週間程度、時間がかかります。
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矯正治療開始
矯正治療の準備が整ったところで、早速矯正治療がスタートします。矯正治療にかかる期間は、患者様によってそれぞれなので一概にはいえません。また、矯正治療では徐々に歯並びを調節していきますので、通常ワイヤー矯正の方で月に1回、インビザライン矯正の方で月に1~2回の通院が必要となります。
矯正治療中は以下のことに注意して取り組みましょう。矯正治療中の注意点
- 矯正装置を壊さないよう、注意する
- 虫歯を防ぐために、正しいブラッシングを行う
- 決められた受診日にきちんと受診する
- 歯科医師・歯科衛生士の指導を守る など
また、当院では矯正治療中の虫歯を防ぐために、ブラッシングの指導を行なっています。矯正治療中は歯ブラシを持参いただくよう、お願いいたします。
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保定期間
矯正治療によって正しい位置に移動した歯並びや噛み合わせは、治療後に後戻りを起こす危険性があります。そのため、矯正治療後は「保定期間」といって、整えた歯並びをしっかり維持させるための期間が必要です。
保定期間はおよそ2年で、最初の3ヶ月は「リテーナー」という保定装置を一日中装着しなければなりません。その後は、寝ている間のみの装着で済みますので、患者様の負担が軽くなります。通院の頻度も3ヶ月に1回程度となり、2年ほど経過をみて問題がなければ、治療完了となります。AFTER CARE
後戻りの原因について
矯正治療終了後せっかく綺麗に並んだ歯ですが、もとの位置に戻ろうとする性質があり、そのような性質を歯科矯正において「後戻り」と呼ばれています。約一年半から二年間の矯正治療を終えて綺麗な歯並びを手に入れた後も治療が終了という事ではありません。
歯の移動が終了した後も歯の周囲の骨(歯槽骨)は固定されているわけではなく、元の位置に戻ろうとする現象が起こります。その現象を防ぐためにリテーナーと呼ばれる保定装置を用いるのが一般的です。人間の歯は元々動きやすい性質があり何かしらの原因があると簡単に動きます。上の歯(上顎)と下の歯(下顎)は咀嚼時など噛み合うことが多く上下の歯の動きを防いでいます。横の動きは舌の力、唇の力、頬の筋肉などによりバランスが保たれていますので、動かないようにキープできているのです。
矯正治療を行った場合、理想通りの噛み合わせになりますが、今までの口の中のバランスが崩れるため、矯正治療のあと、後戻りしやすくなります。これを防ぐために保定装置が必要になります。保定装置を用い動かした歯をその位置にしっかりとキープする事が新たなバランスを確立する第一歩になります。また、今までの生活習慣や癖によっても歯は動きます。頬杖をついたり、うつ伏せ寝を日常的に行っていたり、前歯の裏を舌で押していたり、そのような悪習癖でも簡単に動いてしまう可能性があります。
矯正治療に数年かけた患者さんの労力と費用が台無しにならないためにも、しっかりとした保定装置(リテーナー)を用いて十分な保定期間をさずけ、口腔機能異常(悪い生活習慣)が疑われる患者さんには、口腔機能療法(MFT)等であらかじめ悪習癖を取り除く治療を当院では行っております。
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治療完了後
矯正治療終了後は、美しく揃えた歯をより長く保つため、定期検診や歯のクリーニング、口腔衛生指導などを受けるのもよいでしょう。当院では、ご希望があれば治療後のメンテナンスも行なっております。
TOOTH EXTRACTION
歯列矯正における抜歯の可否判断について
歯列不整は、顎がもともと小さく、歯の大きさが通常より大きいなどが原因で歯が正しい歯列に収まりきらないのでデコボコした状態になります。ではここで問題となるのが、どうやって歯を理想的な位置に移動するのか、スペースはあるのかないのか、ないなら抜歯が必要かどうかを検討します。
患者様からすると、なぜ抜歯が必要なのか?健康な歯を抜きたくないと考えるのは当然の事だと思いますが、矯正治療では小臼歯などを抜歯する場合「抜歯ケース」、抜歯しない「非抜歯ケース」の2パターンがございます。
抜歯をしないで歯列矯正ができるのなら、それが理想ですが状態によっては抜歯をしないと審美的、機能的にもうまく治せない場合が多いです。簡単に言うと電車の車両のイスで3人がけのイスに4人が座ったとします。4人がスリムな方であれば何とかギリギリ座れるかもしれませんが、通常はキツキツで、誰かが腰を浮かせた状態でムリムリ座っている状態になると思います。この4人で何とかしっくり座れるのか、1人立っていただくかによって「抜歯ケース」「非抜歯ケース」が決まります。すなわち歯が並ぶスペースがないと抜歯、スペースがあれば、非抜歯で治療をスタートできるということです。
また、注意する必要があるのが3人がけのイスに無理して4人座った場合、歯列の場合は、ただ単に綺麗に並べただけなので口元が突出し、口が閉じにくくなり、理想的な歯列にならず、後戻りを起こすリスクも高くなりやすくなります。
そこで、矯正専門医により精密な検査を行います。
例えば患者様個々のお口の模型、セファログラム(エックス線)を用いて精密に計測しそれを数値化して理想的な位置に歯を並べるために足りないスペース量を導き出します。
一般的には3つの考え方でスペースを作る可能性を探っていきます。
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① 抜歯
これが一番多く用いられる治療です。例えば小臼歯と呼ばれる真ん中あたりの歯を抜歯して歯一本分のスペースを作り出すことで、理想的な位置に歯が並びます。しかし健康な歯を抜かないといけないので、患者様術者側にとっても抵抗はあります。 -
② 歯を削って小さくする
歯と歯の間(隣接面)を削ってスペースを作ります。抜歯をしなくて済みますが、健康な歯を削りますし審美的にも悪くなるため近年ではこの手法は、歯を動かしやすいように、少量だけエナメル質を削るケースがほとんどです。 -
③ 歯列拡大
歯列全体を側方へ拡大する方法。この方法は抜歯をしませんので一見良い方法に見えますが、無理に歯列を拡大して口元が突出したり、噛み合わせのバランスが崩れ、永続的な綺麗な歯並びにならな い可能性があります。
よって、患者さんが歯を抜きたくないからどうしても非抜歯ケースで治療をしたいとか、抜歯、非抜歯にとらわれず、まず矯正医による精密な診断をうけて頂くことをおすすめします。
矯正医のほとんどが抜歯をしなくてすむケースならあえて抜歯はしないでしょう。しかし、将来を見据えて、理想的な矯正治療を考えている矯正医であれば、抜歯をお勧めする事があるとご理解いただければ幸いです。
NUMBER OF VISITS
矯正治療の通院回数について
まず通院期間に関しましては、個人差がありますが、通常約1年から3年程度かかる場合が一般的です。
歯の移動期間中は矯正装置調整のために1か月に1回程度通院していただいて、移動終了後は、移動防止(後戻り防止)のため3か月ごとに来院していただく事になります。